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テキストエディタを使え!

脱・ワープロのススメ

Contents

  • テキストエディタとは?
  • テキストファイルとは?
  • なぜテキストエディタか?
  • ワープロを相対化してみよう
  • なぜテキストエディタか?再び
  • 怖くないのでインストールしてみよう
  • テキストエディタのススメ、ほんとのところ

初心者には意識されにくいが、あるとこんなに便利なものはない、と感じるのはテキストエディタですね。いいエディタがあればたいがいのデータ管理、ライティングはエディタでこなせます。いちいち重たい「専用」ソフトを立ち上げる必要はありません。

なお、ここで挙げているソフトの情報はほとんど 2000年以前のものです。

Mac 用のものだけ、対応している OS のバージョンを明記するようにしました。(2002-08

テキストエディタとは?

テキストファイルを編集するためのプログラムです。

テキストファイルとは?

テキストエディタで編集できるファイルです(笑)

なぜテキストエディタか?

冗談はともかく、テキストエディタとは、文字しか書けない、超簡単なワープロのようなもの、です。しかし、テキスト「エディタ」の名前が示す通り、文章書きに必要な編集機能は備えていますし、速くて強力な検索機能、置換機能、ものによっては様々な機能をあとから独自に追加できるマクロ機能も搭載しています。メールも Web もエディタでオッケー、という人もいるんですね、これが。そして作成するファイルに余計な情報が含まれないので、ディスクスペースの節約にもなります。

でも、文字しか書けないし、拡大文字もできないし、アンダーラインも網掛けも表も、なんにもできないじゃん、と思うかもしれません。しかーし、それは説明のために引き合いに出したワープロとして考えるからいかんのです。(つまり説明が悪いわけだ。)

ワープロを相対化してみよう

それならば、ワープロがどんなものかをもう一度確認してみましょう。

ワープロの位置付け

ワープロは図のように、テキストエディタの文章編集機能、アウトラインプロセッサの長文執筆支援機能、そして DTP ソフトのレイアウト機能と、(グラフィック関係の機能を除いて)いろいろなソフトのおいしいとこ取りをしたソフトです。その分何をするのか、何から始めるのか漠然としている初心者にはとっつきやすいんでしょうね。また、パソコンの普及以前に十分に浸透していた専用ワープロの影響もあって、「とりあえず字を書くならワープロ」を思い浮かべるというのもあるでしょう。

でも、逆に「字を書く」、あるいは「文章を書く」んだったらこんなにいろんな機能はいらないような気がしません?

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なぜテキストエディタか? 再び

超低機能ワープロというと聞こえは悪いけれども、テキストエディタは実は超高機能「メモ帳」なのです!(あるいは超高機能「ノートパッド」なのです!) どーです、使いたくなってきたでしょう(^^;

どういうことかというと

(挙げればキリがないので端折ります)

などがそれに当たるでしょうか。モノによって(エディタによって)できることとできないことは変わってきますが、最近のエディタなら上に挙げたようなことはたいていできると思ってまず間違いないでしょう。いちばん分かりやすいのは長い文章を扱えるってことですかね。メモ帳や SimpleText なんかは扱えるサイズに限りがあるし。(メモ帳は OS のバージョンによっていろいろ変わりますが。)また、インターネット時代の昨今、いろんな文字コード、改行コードに対応できないと不便です。

怖くないのでインストールしてみよう

エディタは本当にたくさんあります。これはやはり、モノ書きが万年筆に拘ったようなもので、普段使うモノ書きソフトには多くの人に様々な思い入れがある証拠と言えるでしょう。

その中で「とりあえず」使うのにいいんじゃないかと思うのは、フリーのエディタです。メールソフトもそうですけど、やはりとりあえず使ってみるのに高価なシェアウェアを薦めるわけにはいきませんやね。ただし、Windows95 登場の頃と違って、最近では高機能でフリーのエディタが結構揃っているので、オススメするにあたって、あえてシンプルなエディタには拘りませんでした。しかし多いな(^^;

なんで UNIX で使われているエディタの移植版をわざわざ紹介しているかというと、やはり UNIX がテキスト文化の発祥であり、そこには様々な工夫があること、また、多くの人の努力によって Windows や Mac をはじめ様々な環境に移植されているので、環境が変わっても同じ要領で使えることが理由です。そりゃー今は自分の使っていない環境には興味ないかもしれませんが、何年かのちに今のパソコンがそのまま使えるとは思えませんしね。そんなときに、こうした移植性の高さは見逃す手はないでしょう。

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テキストエディタのススメ、ほんとのところ

実は、ワープロではなくテキストエディタを使ってほしいのにはまったく別な理由もあります。それは

そのワープロは必要なのか? テキストファイルで十分じゃないか。

ということです。

テキストエディタにこだわるのは、実は装飾機能が削られてて速いとか、検索や置換が強力だとか、そういう機能的な問題ではありません。テキストファイルを安全・確実に扱える環境を手に入れて、それを使ってほしいからです。

テキストファイルというのは、人間の読める文字だけから成り立っているファイルで、そのファイルで文章を書いた場合、文字の色や大きさ、位置を変更する方法はありません。そう、文字以外はなんにもないのです。これはしかし最も歴史のある、最も確実に相手に内容を伝えることのできるファイル形式で、このファイルは文字コードとフォントの問題さえ解決することができれば世界中のどのコンピュータでも表示できるものです。Mac で書いた文書を Palm で読むとか、そんなことが最も当り前にできるのがこのテキストファイルです。

このテキストファイルは様々なところで使われていて、メール、(いわゆる)ホームページなどのインターネット上の基本的な情報のやりとりはすべてテキストファイルですし、様々な設定ファイルなんかも、その中味はテキストファイルであることが多いのです。これはテキストファイルであればいざというときにはエディタさえあれば設定や機能の修正が可能だからです。

専用のソフトが必要なものの場合、その専用ソフトが万が一動かなかった場合、何もできません。例えば OutLook Expres という、非常に多くの人が使っているメールソフトがありますが、このソフトはメールデータを独自形式で保存するため、OutLook Express が何らかの不具合で動かない場合はメールを読むことができません。また、OutLook Express がないと読めないということは、一度でもこのソフトでメールのデータを貯めてしまうと他のソフトに乗り換えることができなくなることを意味します。あな恐ろしや。

もっと言えば Windows で利用しているレジストリというやつ、「この操作を間違うと Windows の起動すらできなくなります」という脅し文句をよく見ます。そしてこれ、Windows が立ち上がらないと直すことができません。Windows を正しく動かすための設定ファイルを Windows が動いていないと操作できないというのは、なんなんでしょうか?(もちろんバックアップを取っておけばなんとかなるのですが、元に戻せるだけで直せるわけではありません。)

話がそれました。要するにそれは本当にその独自形式のファイルでないといけないのか? 本当にそのソフトでなければいけないのか? ということが言いたいのです。

あとがき

Mac のフリーエディタ環境が、これを最初に書いたとき(もういつだか分からない)に比べて変わってきました。当時デザインだけだと思っていた iText がかなり進化していますし、ミミカキエディットが mi になり、モード別の挙動も完成度がぐっと上がりました。うまく使うと 68 Mac で現役で使えるアウトラインプロセッサのようにも使えます。(実際、私はエミュレータで mi を使ってそういう書き方をしています。Kacis Writer Free が PPC じゃないと動かないからねぇ。)

最近は Win のエディタはチェックしていないのですが(^^;、Windows 関係の情報は放っといても溢れてくるので、構わないかな、と。

2002-08-16 追記)

訳あって OS X を常用する機会を得ましたので、ついでに Mac 用のエディタがどの OS で動くのかを書き足しました。けっきょく、OS X では iText か mi か?って感じでしょうか。フリー限定だと。引き続き調査が必要かもしれません。

2003夏)Emacs の中にいる時間がいちばん長くなってきました。数年前に FreeBSD 2.0.5(98) で NEmacs を使っていた頃以来です。Linux, Cygwin, OS X とまったく同じ環境が使えるので、恐らくもうしばらくは新しいエディタの発掘はしないと思います。

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