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データとアプリの区別

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パソコンがマウス操作当たり前の時代になり、コマンドとか意識しなくて済むようになったおかげで、何がデータを生み出すソフトで、何ができあがったデータなのかの区別がつきにくくなってしまったのは非常に残念です。何が残念て、こんなことわざわざ説明しなきゃいけないこと!

CD(DVD)とメモリーカードの関係

横文字を総じて分からないと嘆く前に図を見てください。

最近のゲームは、ゲーム&ウォッチの頃とは違い、ゲーム機だけでは遊べません。ゲーム&ウォッチの頃はゲーム機本体とゲームのソフトと得点などのデータの区別がありませんでしたが、今は本体とゲームソフトの CD-ROM(DVD-ROM)、メモリーカードはそれぞれ別々になっています。

これはちょうどパソコン本体とアプリケーションソフト(CD-ROM)とデータの関係と同じです。パソコン本体だけでは何もできず、アプリケーションソフトを用意することで何らかの作業ができる。作業の結果がデータとして残る、と、こういうわけです。

ゲームソフトでデータを作ります。データだけでは意味がありませんが、RPG などの時間の掛かるゲーム、成長する(させる)ゲームは保存されたデータがものすごく重要です。ドラクエの復活の呪文です。(あれは書き写し間違うとアウトでしたが。)最近のゲームは同じソフトで作ったデータを持ち寄って、みんなで競い合うことも可能です。

パソコンだと、Word の文書を開くためには Word のソフトが必要だし、同じ Word を持っている人同士なら、Word 文書の交換が可能だよ、っちゅーことですね。

大工道具と日曜大工作品の関係

さて、パソコンの話にいく前にもう一度別なものに例えてみましょうか。今度は大工道具です。

この場合、アプリというのは、作品を作るために使う道具のことで、データというのはその道具を使って作った作品です。言ってみれば大工道具がアプリで、できあがった椅子や棚がデータってわけです。

このとき、椅子を作るための大工道具にはいろんなものがありますね。値段と品質と使い勝手なんかを考慮して大工道具を選びます。また、大工道具の作り出す作品は椅子や棚だけでなく、犬小屋とか、頑張れば大物も作ることができます。

さっきの話と少し違うのは、大工道具が変わっても同じ物が作れるし、同じ大工道具から様々なものを作り出すことができる、ということです。ゲームの ROM とデータの場合は、別なゲームから同じデータができることはありませんし、そのゲームで決められたデータしか保存されませんが、大工道具の場合はもう少しその辺が緩やかになります。

ここまでは大丈夫ですか? 大丈夫ですよねぇ?

で、最初にゲーム機の例を出しておいて申し訳ないのですが、パソコンのデータとアプリの関係は、この大工道具と日曜大工作品の関係の方に似ています。

見極め

さて、問題はこの見極めです。

とりあえず見た目

アプリ データ
Acrobat
クラリス
Excel
Illustrator
PowerPoint
Flash

とりあえず見た目に頼ってみましょう。標準の状態でアプリとデータのアイコンはそれぞれこのようになっています。(アイコンはユーザーが自由に変更できるので、あくまでこれが標準状態、というだけです。)

傾向がありますよね。まずアプリのアイコンがあり、それが書類の形になっている感じです。これが分かるだけでアイコンの状態になっているアプリとデータの区別はかなりできると思います。

ところが画像ファイルや音声ファイル、テキストファイル、圧縮ファイルなどの場合は、インストールしているアプリケーションによってアイコンがコロコロ変わってしまい、見た目だけではどんな書類なのか分からなくなってしまいます。

例えばテキストファイルというものがあります。これは文字だけの情報しか入っていない(文字の大きさや色などに一切工夫を凝らすことができない)ものです。で、この形式は文字を扱うソフトならほとんどどんなソフトでも扱うことができます。それこそ一太郎だろうが Word だろうがなんでも扱えるのです。つまり、こんな風に、

テキストファイルのいろんな見た目

いろんな見え方をするものなのです。でも、見た目(アイコン)が変わっても中身には変化はありません。

ルーズリーフの中身

こういう、オープンな規格に則ったファイルを見た目で判断するのは、ルーズリーフに閉じたノートのルーズリーフだけで決め付けて、中身を見ていないようなものなのです。

色の違うファイルに閉じてみた

ルーズリーフで問題なのはその中身ですよね。表紙は自由に変えることができるので、アテにはなりません。

パソコン上のデータも同じことです。

  1. どのような形式のデータなのか?
  2. それはどのアプリで開くように設定されているのか?
  3. 実際に今どのアプリで開いているのか?

この意味が分かると、ルーズリーフに騙されずに中身を見極められます。

具体的にどういうことかというと、例えば 1) テキスト形式のデータの場合、2) 通常はメモ帳/SimpleText で開くように設定されていますが、3) 一太郎や Word でも開くことはできる、ということです。この 1, 2, 3 が分かっていないと、「この間とアイコンが違うけど、いいの?」「なんでソフトが違うの?」ということになります。

問題は形式だ

最近は誰でもマルチメディア関係のソフトを使っていますが、特に Windows の人は要注意です。こういうソフトをインストールすると関連付けが変わるので、同じ形式のファイルなのに、どんなアイコンなのか、どのアプリで開くのかの設定がガラッと変わってしまうのです。

例えば最近すっかり定着したデジカメの影響で、誰でも画像ファイルを扱う機会は増えてきました。画像関係のソフトもかなりの種類があります。標準の Windows では Internet Explorer、すなわち Web ブラウザが画像ビュワーを兼ねています。「写真見たいだけなのに、なんでインターネット?」と驚かないでください。それで正常です。

しかし肝心なのは中身です。どういう形式のデータで、それはどういうソフトで開くことができるのかが分かっていれば、混乱は少なくなります。

よく分からない人は自分のマシンがどんな設定になっているのか、一度詳しい人に見てもらいましょう。


* 商品名はそれぞれ製造・販売を行っている会社の商標になっています。各アイコンの著作権はそれぞれアプリケーションの開発・販売を行っている会社、あるいは個人に帰属します。