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作業のキモ

コンピュータを手に入れた。使い始めた。なんか使いにくい。おかしい。思い通りにいかない。そりゃコツが分かってないのよ。

ちょいと加筆しました。(2001.12.)

なんだかんだゆって、しょせんは慣れ

説教講座ではそれなりの数のテーマに渡ってそれなりの量の文書を載せています。その多くは私の個人的な体験をもとにしつつ、本で読んだ知識や、コンピュータをバリバリに使いこなしている知り合いの何人かの中で共通の見解だったりする屁理屈です。

これだけ理屈っぽく書いている人間が言うのもなんですが、コンピュータなんてものは慣れです。鉛筆や包丁や自転車や自動車のように、慣れることがいちばん大事です。

「コンピュータは道具」とよく言われますが、道具の使いこなしにとっても最も不可欠なものは基礎と反復です。説教講座はあくまで基礎。そのうえに反復がなければモノにはできません。ま、要するに習うより慣れろってことでさぁね。

実際、言葉で伝えきれない感覚的な部分もあるんです。コンピュータって、精密機械ですけど、コンピュータを使っていくことって、実は全然割り切れません。

力まないことに力を入れろ

しょせんは慣れなのですが、一つだけ。操作において最も重要なことは「力まないこと」だと思います。

力をこめてキーボードを叩いても弱々しく叩いても、最低限必要な力を超えていれば結果は一緒。いや、あまり強く叩いていると、機械ではなく手の方が壊れます。

力強く握ることで何か新しい機能が実現できるマウスってのは今のところ開発されていません。マウスを動かすのに力はほとんど必要ありません、握りつぶさんばかりに力をこめるのはまったくの無駄であるばかりか、肩こりなど、マイナス要素を生む原因にしかなりません。

目を凝らしてディスプレイを眺めても、間違うときは間違う。液晶ならともかく、CRT(ブラウン管)のディスプレイは、はっきり言って目に悪いです。ただでさえ疲れさせるディスプレイを、力をこめて凝視するなんて、目に悪いだけでなく、姿勢も悪くなるし、顔もこわばるし、いいことありません。

コンピュータを使うときは、何よりリラックス。

マウスを使いすぎるな

GUI vs CUI という話も面白いのですが、そんなことよりマウスってほんとにそんなに使いやすいもんなのか?という話です。

マウスってのは、確かにシビアに調整していけばかなりのところまでその操作性は高くなります。でも、パソコンの付属品や安物のマウスはそれほどいいものではありませんし、調整の勘所も、なかなか初心者の人には分かりません。そんなマウスでの操作に、そんなにムキにならんでもいいのじゃないかと、思うわけですよ。

Mac はともかく、Windows では、実はかなりの操作がキーボードで行えます。範囲選択もメニュー操作も案外キーボードでできることは多いのです。いやいや、キーボードショートカットを使い倒せとは言いません。私もそれほど知りません。でも、キーボードでやった方が楽な作業だって、けっこうあるんです。それを知ってると知らんとでは大きな違いがあるよ、ということです。

メニューは片っ端から開け

よほど高度なソフト、よほど新しい分野でない限り、たいていのことはメニューを試してみれば分かります。マニュアル、解説本を探すより、ヘルプを読むよりその方が早いです。どうしても分からない場合、そりゃソフトの設計が悪いんですよ。

それに、説明を読んで知ったことより、自分で試して発見したことの方が記憶に残ります。記憶が鮮明である方が、スムーズに実行できるので作業が速くなります。

アレコレ試したって、よほどおかしなことをしない限り、パソコンは壊れません。(壊れるときは違う理由で驚くほどあっけなく壊れます。)すぐ本に頼ったり、すぐ人に聞いたりするよりも、まずは自分で試してみましょう。本なんか買わんでもたいていの操作くらい分かります。分からなきゃそのソフトが悪いくらいの気持ちで構いません。

最低限、ヘルプやドキュメントは読め

上で書いていることと矛盾する? いやいやしませんて。

ヘルプに載っていることを平気で質問してくる人がいるそうです。どういうことでしょう? 例えばビデオデッキの接続や録画の方法について、いちいちメーカーに電話して聞く人がいるでしょうか? 普通は付属の説明書を読みますね? もちろん、フリーソフトのドキュメントはプロの作るマニュアルのようには分かりやすくない(そもそも「マニュアルは分かりにくい」と評判が悪いですけど)でしょうし、電話とメールの気楽さの違いもあるでしょう。それにしたってですよ。

フツーは付属しているものくらいは目を通すでしょうが。

無意識で保存しろ

以前はマメに保存しろと言っていたのですが、変えました。「マメに」なんて意識してるようじゃまだ甘いです。「無意識のうちに」保存できるくらいにならないとダメです。

コンピュータ上の作業ってのは、けっこう「集中しすぎて」しまって、1時間、2時間なんてあっという間に過ぎてしまいます。普通の作業の場合は1時間、2時間の成果がいきなり消えてなくなることはほとんどあり得ませんが、コンピュータ上の作業は本当にあとかたもなく消えてしまうことがあります。

停電などで電源が切れることもあるし、内部のトラブルで保存できなくなる、あるいは一切の操作が不能になることは残念ながらよくあります。そうなったとき、あなたの成果は消えてなくなるのです。

そのようなとき、どれくらい最近に保存したかが決め手になります。10分前に保存したものと1時間前に保存したものとでは内容がまったく異なることが多いので、可能な限りマメに保存できるように、息をはくのと同じように無意識に [ CTRL ] + [ S ]、[ COMMAND ] + [ S ]、C-x C-s できるように指を調教しましょう。

大きな変更のときは名前を変えて保存する

しかしいろいろな作業をしたうえでやっぱり元に戻したい、と思うこともあります。マメに保存をしていると最新の状態に戻すことはできても、古い状態に戻すことはできません。

そこで、大きく変更を加える場合は別な名前で保存するという方法を取ります。別な名前をつけて別なファイルにすることで、万が一元に戻したくなったときには古い方のファイルを利用するという方法が使えます。